ようやく、両袖の『コンクリート擁壁工事』が完成しました。
やっと、真ん中に集中していた土が整地できます。
 
今は、かまぼこを斜めに置いたような状態だった土を両袖まで広げると、スキージャンプ台のようで、『こんなに広かったんだ〜』という感じです。狭いところで大きな構造物を造るのはなかなか大変で、作業効率は悪いし、しんどいし、たまりません!しかし、それからようやく開放された瞬間は、ハ〜〜〜ッと思わずもれちゃいます。
 
整地後に始める工事は、南側の土留工事で、その工法は「間知石積擁壁」です。道路の脇に斜めに積んであるのをよく見かけるでしょ?あれです。
土地の有効面積は減りますが、L型擁壁に比べ工事費は抑えられます。何よりも直立の崖と比べ斜めに石を積むので、目から入る空間が恐怖感を和らげます。それは毎日の生活の中で、ちょっと大切なことなのですよ。
 
その為には、できるだけ土の見える部分を広くする必要があります。実際の石は、1m下の地中から積まれているのですが、人は目から入る情報で判断します。土が広く見えると、人には優しく感じられるものなのです。そんなことまで考えて工事を施工する僕たちって、ちょっと偉いでしょ。
 
その前に西側の『U型階段』を南側に伸ばすのですがなぜでしょうか。答えは、階段手摺りを高くし、「間知石積擁壁」にかぶせる土の勾配を穏やかにするためです。この土の勾配がきついと、安心感を得られないのです。(良く考えるでしょ〜?)
 
さて、「間知石積擁壁」を施工するには、まず改良した地盤面から更に施工地盤までの土を改良して高さを調整し、コンクリート基礎を施工してから石を積み始めます。基礎の上に斜めに石を設置し、一列に並べ、その30cmほど後ろに石の高さまで採石を入れて、その隙間に石の高さ半分ほどまでコンクリートを流し込むのです。そして次の一列を積み、同じ工程で高さ4m以上まで繰り返し、最上部に天端石(てんばいし)を積み、コンクリートを打設し石を抑えると「間知石積擁壁」の完成です。
 
土を整地し完成した庭の部分から眺める海は、それは素晴らしく、思わず見とれてしまいます。この景色を眺めながら、ここの住まわれる方にもこの感動を味わっていただきたいと、情熱を込めた仕事ができるのです。
 
ここまで出来上がれば、あとは細かな残工事です。
とは、言っても結構施工量はあるのですが、とりあえず危険な工事は完了しました〜!
これからは、お化粧みたいな工事を施工するのですよ〜。
 
次回は、『造成工事のお化粧』実務編です。
富士山に建つ『暮クラージュ趣の家』 自然との共生・・・
その辺のところを、「乞う、ご期待。」