今回施工する『コンクリート擁壁工事』は、大きく分けると二種類です。
ひとつは、現場の高低差を解消する『L型擁壁』で、崖の最端部に設置するものです。
もうひとつは、隣地の境界に設置する『U型擁壁』で、『階段や歩道』を兼ねるものですが、前記の『L型擁壁』を守る役目もします。
 
 高低差の激しい土留工事の工法で「コンクリート擁壁」は大変有効ですが、高さに比例して工事費が大きくなることは前回お話いたしましたが、その比例の大きさは5mを超えると急激になりますので、L型擁壁の高さを5m以下に抑える必要があります。
 そのためには、隣地から30度の安定勾配の高さに、ラップルコンクリート(改良した地盤の上にコンクリートで箱状に高くするもの)で、5m以下のL型擁壁になるまで施工地点を高くし、安定勾配で生じた崖を処理する『U型擁壁』を隣地より低い地点まで施工することで、隣地境界を侵害することなく雨の日でも安心な構造物が出来上がります。
 
 実際の工事は、前述とは逆で、低いところから工事を施工します。
と、いうことは、隣地との境界に『U型擁壁』を施工し、ラップルコンクリートで高くした工事地盤から『L型擁壁』を施工することになります。
 そして、またまた、土の処理を考えなくてはなりません。
現場の最下部と同レベルの隣地、その高さから約50cm低い構造物を施工するには、隣地より80cm低い位置まで掘らなくてはならないということで・・・構造物の幅が1.4mで仮枠を施工するには約1m必要で・・・その地点から土が崩れないように掘るには・・・えええぇ〜いっ!面倒だ!bearing山止め(土が崩れないように柵を)かけちゃえ!!
 と、いうことで、安全に『U型擁壁』工事を施工しましたが、工事個所は山止めの下約3m、材料を運ぶのも道具を取りに行くのも体力勝負rock・・・いや〜〜〜、時間もかかる!
 
 『U型擁壁』が完了し、山止めを外し、埋め戻し工事を完了させ、ラップルコンクリートの打設をするためには、またまた土の処理を考えなくてはなりません。
埋め戻しで余った土を掻き上げ、そこに山止めをかけ、その高低差は約5mに・・・。
またまた体力勝負rock・・・いくら、ポンプ車で打設するからって、とほほ・・・coldsweats02つらいなぁ〜〜
 
 やっと『L型擁壁』高低差は2m以下、なだらかに傾斜をつけて現場に行けます。
しかも高さ5m以下、鉄筋も13mmのダブル筋、運搬も加工も楽なもんです。
これで、東側と西側の『コンクリート擁壁工事』をやっつけました。
 
次は、西側の『U型擁壁』を、南側に伸ばすのですが・・・。なぜかな〜???
 
次回は、『南側の擁壁工事』実務編です。
富士山に建つ『暮クラージュ趣の家』 自然との共生・・・
その辺のところを、「乞う、ご期待。」